◆「最近なんとなく体が重い」「動くのがおっくう」…そんな日、ありませんか?

歳を重ねると、これといった原因がなくても「なんとなくしんどいなぁ」「毎日がちょっとずつつらいな」と感じることがあります。
でもそれ、年齢のせいだけではないかもしれません。
筋肉は年齢とともに自然に減ってしまうもの。特に70代に入ると「動きづらさ」「疲れやすさ」「姿勢が保ちにくい」などを実感しやすくなります。
でも――
実は、毎日ほんの少しの“ながら運動”を続けるだけでも、体はちゃんと応えてくれるんです。
「今さら筋トレなんて無理」「続けられない」と思っている方にこそ試していただきたい、“しんどくない”筋トレの習慣をご紹介します。
◆ ながら運動って?|わざわざ運動の時間を取らなくてOK
「筋トレ」と聞くと「しんどい」「ジムに行かないといけない」といったイメージがあるかもしれません。
でもここでご紹介するのは、家事やテレビの合間に“ながら”でできる軽い動きばかり。
厚生労働省も「高齢者の筋トレは身体機能の維持や転倒予防に有効」と明記しており、70代からでも筋肉の維持や改善効果が期待できるとされています(※出典:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023)。
つまり、動くたびに、体はきちんと反応してくれるということ。
運動不足を感じている方こそ、少しの刺激で違いを実感しやすいのです。
◆ 立って行う「ながら運動」
※転倒が不安な方は、椅子や壁を使って安全に行いましょう。

● かかとの上げ下げ(つま先立ち運動)
- キッチンでお湯を沸かしているときなどに、かかとを上げて、つま先立ち。
- 5秒キープ→ゆっくり下ろす。これを5回から。
ポイント: 椅子の背などにつかまりながら、転倒しないように。
● 足ふみ運動
洗面台の前などで、足踏みをするようにその場で足を上げ下げ。
太ももを少し意識して持ち上げるだけでOK。
● 椅子を使ったスクワット

もうひとつ、イスを使ってできる簡単な運動として「イススクワット(座って立つ動作)」もおすすめです。
たとえば、食後やテレビを見終わったタイミングで「椅子にゆっくり座って、また立ち上がる」という動作を2~3回繰り返すだけでも、太ももやお尻の筋肉をしっかり刺激できます。
厚生労働省の資料でも、椅子を活用したスクワットは効果的な運動として紹介されています。
👉 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(厚生労働省)
転倒が心配な方は、安定した椅子を使い、できれば近くに手すりや壁がある場所で行ってくださいね。
※膝に痛みがある方は無理をせず、座る動作だけにする・回数を減らすなど、「できる範囲」で大丈夫です。痛みのない範囲で続けることが何より大切です。
◆ 座ったままできる「ながら運動」
● かかとの上げ下げ(座位)
- 椅子に座ったまま、両足のかかとを床につけたまま上下に動かします。
- 足の前側(すねや太もも)に軽く力を入れるのがコツ。

● おしり歩き
座ったまま、片方ずつおしりをずらして前後に“歩く”。
テレビを見ながらでもOK。骨盤まわりがほぐれて姿勢も改善します。
◆ 無理なく続けるために|3つのコツ
- 回数にこだわらない
→「毎日3回以上!」など決めすぎず、1回でもOK。 - 思い出したときだけでもOK
→「あ、やってみようかな」そんな気持ちが一番の第一歩。 - 「今日もできた」と声に出す
→小さな達成感が継続の力になります。

◆ 注意点|「やりすぎない」「痛みが出たら休む」
- 痛みやめまいがあるときは、無理に行わず中止してください。
- 持病や不安がある方は、かかりつけ医に相談のうえ行いましょう。
- 呼吸は止めず、できる範囲で“ゆっくり”が基本です。
もし「こんなことでも効果あるのかな?」と思っても、続けてみるとちゃんと違いを感じる日が来ます。
あなたのペースで、ゆっくり始めてくださいね。
◆ おさらい|今日からできる「しんどくない筋トレ」
- ながら運動は、わざわざ時間をとらなくてもOK
- かかと上げ・足ふみ・おしり歩きなど簡単な動きから
- 椅子や壁を使って安全に。滑り止めや室内手すりも安心
- 効果を感じやすいのは、筋肉が落ちている今だからこそ
- 無理せずコツコツ、今日できたら“それで充分”
◆ 最後にワンポイントアドバイス

「運動ってがんばらないと意味がない」と思っていませんか?
でも、70代からの運動は“がんばりすぎない”ことが一番大切。
あなたの毎日が少しでも軽く、心地よくなりますように。